HOME>>コラム・書評・インタビュー>>書評一覧>>2000/08/30 通信『スタイル21』7号掲載分


出版洪水に釣り糸を垂れる
Book-Review


ボイジャー説明会講師:山田 剛
Yeah-Man Zone

遂に日本語訳完成!

 『メガブレイン』  Mega Brain

マイケル・ハッチソン著
佐田弘幸/いくよ監訳 福留園子訳
(総合法令刊)  ¥2800


●この本は、マシン・ユーザーに留まらず、脳を成長させたいと願う、すべての人たちに贈られたギフトです。1986年初版発行以来、全米ベストセラー。その後、世界各国でも大反響となり、「ブレインマシンのバイブル」と称されました。また、これをきっかけに、数多くのブレインマシンが世に広まり、『ニューズウィーク』、『ウォールストリート・ジャーナル』でも紹介され、一大ブームを巻き起こしました。これについては、MM8の通信でも10年前から紹介してきました。
 
●前半部分は、私たち読者をとても勇気づけてくれる内容です。「脳は年齢ではなく、環境で老化する」ことを、実験データをもとに解説しています。「成人すれば、脳細胞は減り続ける」という常識を、私たちは受け入れていますが、それを本書は断固否定しています。「大脳皮質はかなり年をとってからでも発達しうる」と著者は述べてます。
 著者ハッチソンは、知性を司る大脳皮質は「刺激の多い環境」に身を置くことによって、年齢を問わず成長すると述べてます。脳を成長させる方法として、次の方法を紹介しています。「瞑想で自分の心を見つめ、反省したり、学習といった手段を通じ、脳に自己鍛錬の機会を与えたりすること」と共に、「人間の新皮質に、刺激や経験を与えるためのマシンを用いてみる」よう、ブレインマシンの活用を勧めています。

●後半部分では、バイオフィードバック、ライト&サウンドマシン(L&Sマシン)などについての客観的なリポートを掲載。L&Sマシンがもたらす効果は、左右両脳の同調、脳波誘導、脳の高度化、学習効果、創造性、リラクセーションなどを挙げています。「体験者は、セッションで不安を軽減し、深いリラックスを経験する。それは3〜4日続き、最終的には10回〜12回で長期的な効果を得られる」。
 つまり、著者は、リラックスしつつ、同時に脳の老化を避ける簡単な方法の一つが、「ボイジャーエクセル」などのL&Sマシンだと、述べている訳です。

●15年前の時点で、既に本書は、スポーツクラブなどの「フィジカル・フィットネス」の次に、「メンタル・フィットネス」の出現を予想しています。この予想は、多くのリラックスサロンの出現、スポーツクラブでの「瞑想」や「太極拳」クラス開講など、日本でも現実化してきています。
 フィジカル・トレーニングでは、筋肉の力を出し切った状態(オールアウト)を目指します。これによって、強く太い筋肉組織を作るのです。これは私の見解ですが、トレーニング・マシンと同じように、ブレインマシンは、脳細胞のオールアウト状態を作り出すのではないかと考えています。ブレインマシンの刺激を受けることで、脳をトレーニングしているのです。「不安が消えた」とか、「頭が軽くなった」という感想が多いのは、脳細胞がオールアウトして、頭の中が空っぽになったためだと解釈できます。この点について本書では、「ブレインマシンは、(スポーツクラブの)ローイング・マシン、スキーイング・マシンなどの、脳用ヴァージョンである」と述べてます。

●おしまいに、ハッチソンは、ブレインマシンの「娯楽性」について、次のように述べています。
 やはり何といっても、人々がこれらのマシンを利用している最大の理由は、おそらく、それを用いると“快感”が得られるからでしょう。マシンを頻繁に利用しているユーザーたちから話を聞くと、彼らの大半は、対照実験の調査結果よりも、「マシンを使って楽しむこと」「快感を感じること」に興味を持っていることが分かりました。

●今まで日本では、ブレインマシンというハードだけが輸入され、その背景の研究や可能性の情報に出会えない状況が続いていました。今回、本書の出版によって、日本語圏の私たちも、この世界を探訪できるようになりました。
 本書の発売をきっかけに、これら全く新しいテクノジーが、生活24時間のあらゆる局面で最大限活用され、私たち日本人の未来へ、希望を与えてくれることを願っています。

●あとがきには、ハッチソンの事務所にも「ヴァイブラサウンド」を設置しているとあります。同じく「ヴァイブラサウンド」ユーザーである佐田弘幸さん、監訳どうもありがとう!

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